傀儡とDancin'

妄想の屠殺場


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バイオハザード6

ようやくプレイ、ようやくクリアのバイオ6。
少し感想でも書こうかしら!
ネタバレ・文章のみ・感想のみになるので、畳んでおきます
言っちゃえば自己満よ!


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声が聴きたい

 なんというか、ぼくとしては好きなことをやったまでだったんだけれど。
 周りからしたら、好きなことを犯ったらしい。
 文字面が悪いなぁなんて思いながら、冷たく重い鉄の輪を手首にかけられたんだ。

 それからというもの、総じて怖い顔した人が代わる代わるやってきては「どうしてあんなことを」と訊ねていたようだ。あんなことって何のこと?
 ぽかんと口を開けていたら、また人が入れ替わる。何かを口走って唾を飛ばして、扉を蹴破るように出て行って、毎日そんなふうに過ぎる。変化が起きたのは何十人めかのきれいな人が来たときだった。
「情状酌量ノ余地無シ、再犯ノ虞有リ。ヨッテ、しけい」
 彼女の言うことは今まででいちばん難しかったし理解はほとんどできなかった。けれど、最後だけしっかり聞き取った。しけいだって。死刑!
 きれいな彼女からはその一文しか言ってもらえなかった。ぼくは彼女の声をもっともっと聴きたいって、そう何度も言ったのに、だれも彼女には関わらせてくれなかった。

 最期のときに、ようやくきれいな彼女のかかとの音が聞こえてきて、振り向こうとしたら、世界がぐんっと上昇していった。それで、声は聴けたっけな?

婚姻焦燥母娘

 むかし、むかし。ちいさな うすよごれたいえに、おかあさんと むすめがくらしていました。
 とおくにいってしまった おとうさんがときどきおかねをおくってくれているので、ふたりは まずしいわけでもなく べつだんふつうに なかよくいきていました。
 むすめはもうすぐ およめにいかなければならない としでした。けれど、なかなか およめにはもらってもらえませんでした。むすめは ふつうのおんなのこでしたが、とびぬけてよいところもなかったのです。
 ちかくにある おおきなおやしきでは すえのむすめのけっこんを いわっています。
 むすめは そんなおやしきのようすをながめて、ためいきをつきました。

 おやしきで けっこんしきがひらかれてから しばらくして、しびれをきらせたおかあさんが だんなさんをさがすといって でかけていきました。
 おかあさんは ゆうぐれにかえってきて、むすめをおおごえで よんで、いいました。
「あなたでもよいといってくれるひとが いたわ。おあいにいってらっしゃい。」
 むすめは わらにもすがるおもいで つぎのひには そのひとのもとへむかいました。
 ひがおちかけたころ、そのひとのいえにつきました。むすめは ゆうきをだして、
「ごめんください。」
 といいましたら、おとこのひとのやさしいこえで、
「はい。すぐにあけます。」
 とかえってきました。それから、とがひらきました。
 そこにいたのは、せのたかい きのやさしそうな おとこでした。むすめのすがたをみるなり、にこりとわらって なかへまねきいれてくれました。
「わたしなんかで よいのですか。」
 むすめは おとこにたずねました。
「とんでもない。あなたはすばらしいです。」
 おとこは またにこりとわらって よいかおりのするおちゃをだしてくれました。
 むすめは あってすうふんのこのおとこの およめさんになることを きめました。
 ふしぎなことに、むすめは それからあったことを おぼえていません。
 とたんにねむくなったきがして、それっきりです。
 そして、むすめのおかあさんは かえってきたおとうさんに むすめはよいひとのところへおよめにいったとつたえ、ながくしあわせに くらしたそうです。

【実娘ヲ殺人狂ニ嫁ガセル等】
【鬼畜ノ所業】
【娘ハ何モ知ラヌ】
【知ラヌママ母ニ還ル】

くちづけで彼女は助かる。たったそれだけで共闘した女は生き延びるのに、彼は微笑して振り返った。
ぶくぶくに肉が膨れ上がり、美しかった影すら残さぬ彼女に化け物だと吐き捨て、踏みつけて彼が去る。
二、三度風が吹いてから、わたしは彼女にかけた幻術を解いた。傷だらけではあったものの、なお美しい娘が横たわる。先ほど微かに感じた生気はもう無い。
愛とは言葉で、言葉は嘘。彼女が彼に宛てた愛の旋律も、彼が彼女に宛てた愛の言葉も、同じ音。
美しい彼女を世界の在り方に任せ、わたし達もその場を去った。

ルールの束縛故

ぼくが王手をかけて、盤上の戦いは終結した。
まだルールが曖昧にしか理解出来ないもの同士の稚拙な戦い。あとで調べると、ぼくの王手はルール違反の末のものだったらしい。それを知ったとき、盤上ですらまともに戦えない自分は、世界のどこに属すべきか分からなくなった。

世界の上でただ呆然と立ち尽くす要らない駒になったぼくは、今日も公園に居た。傷痕だらけの腕でブランコの鎖を掴んでゆっくりと漕ぎはじめる。
空は遠く青く、日が目を刺す。涙がこぼれた。
思い切り漕ぎ始めて、平行を越えてしなる鎖をぱっと手放す。
ぼくが落ちて、空のブランコが後ろに跳ねた。朦朧とした意識の中で、誰かの足が見えた。

目覚めたのは次の日の早朝、病院の硬いベッドの上に管を繋がれて寝ていた。
ぼくが目覚めた事に気が付いたその人が、笑みを浮かべて声をかける。ぼくは応答した。
彼はいつだかの一局の相手だった。今の彼は、根掘り葉掘り僕のことを尋ねて、それから提案した。
一緒に事業を起こそう。そんな感じの、もっとお堅い言葉を羅列しての提案。ぼくはよく分からないまま、とりあえず頷いた。

彼はぼくの王手がルール違反だと分かっていたそうだ。あえて言わずに勝ったつもりにさせてくれたらしい。
それは苦痛になり得る優しさではあるが、ぼくが勇気を持つには必要なことだったのかもしれない。
世界のルールはもっとアバウトで、盤上の広さを考えれば一手の違いなど些細だ。
細かなルールに支配された小さな盤上から、もっと大らかな広い地に足をつけた気がした。ぼくはまだこの世界で生きやすくなった。

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